平成27年9月13日(日)、小郡運動公園多目的広場にて第8回小郡・大刀洗地域防災訓練が開催されました。この訓練は小郡市・大刀洗町が合同で2年に1度開催しており、小郡市・大刀洗町・両市町消防団・小郡警察署・三井消防署・自主防災組織などの関係機関や団体あわせて約400名が参加しました。小郡市で震度6強の地震が発生し、その後、県全域に大雨・洪水警報が発令され、大規模水害の恐れがあるという想定で訓練が行われ、小郡市消防団は「陸上偵察・広報訓練」、「倒壊家屋訓練」、「水害孤立者救助訓練」、「水防訓練」、「炊き出し・給食訓練」に参加しました。
《訓練プログラム》
No. | 種目(予定時刻) | 訓練概要 | 実施機関 |
1 | シェイクアウト訓練 (9:32~9:34) |
◎緊急地震速報 ・来賓者を含め全員で一斉に安全確保行動(頭に手を当てて低い姿勢を約1分間)を取る。 |
全員参加 (来賓・見学者含む) |
2 | 災害対策本部 運用訓練 (9:34~11:30) |
・様々な手段を用いて、情報収集を行い、災害対応を行う。 ・管内の被災状況を把握し、必要な対応を具体的に指示する。 ・偵察隊、関係機関からの情報収集⇒分析⇒判断⇒指示⇒対応 ・関係機関への応援要請、情報共有 |
小郡市災害対策本部 ・小郡市 ・消防署 ・警察署 ・自衛隊 大刀洗町災害対策本部 ・大刀洗町 |
3 | 陸上偵察 ・広報訓練 (9:34~11:10) |
・車両で会場を巡回しながら、被災情報収集活動を行う。 ・巡回時、「現示カード」を手交で想定付与し、災害対策本部と連携し、対応を行う。 ・必要な広報活動や災害対策本部への伝達、現場案内などを行う。 |
・自衛隊 ・警察署 ・消防署 ・小郡市消防団 ・大刀洗町消防団 ・小郡市 |
4 | 上空偵察 ・広報訓練 (9:40~9:50) |
・上空の県警ヘリと災害対策本部警察官が交信し、上空からの偵察及び広報活動を行う。 | ・県警ヘリ |
5 | 通行障害排除訓練 (9:40~10:00) |
・偵察隊により発見した通行障害をバケットローダー、重機、トラック等により排除する。 | ・自衛隊 ・環境保全協議会 ・建設業協会、重松産業 ・警察署 ・小郡市 |
6 | ライフライン復旧訓練 (9:45~11:00) |
・災害対策本部からの要請により、電力復旧及び通信手段を確保する。 | ・九州電力 ・NTT西日本 |
7 | 倒壊家屋訓練 A のぞみが丘校区 三国校区 東野校区 立石校区 B 小郡校区 大原校区 御原校区 味坂校区 C 大堰校区 本郷校区 大刀洗校区 菊池校区 (9:40~10:50) |
◎3箇所の家屋倒壊現場で、地震直後に「自主防災本部(一次避難所)」を設置 ①自主防災組織主導による活動(自助、共助) ・救出救助活動(ジャッキやバールを活用) ・火災警戒行動(消火器、バケツリレーなど) ・負傷者等への応急手当 ・搬送訓練(リヤカーや車椅子、応急担架、車椅子補助器具) ②消防団による活動(公助) ・救出救助~エンジンカッターやチェンソーで救助 ・消防ポンプ車による火災防ぎょ ・避難者の行動支援 |
・防災部会、自主防災組織 (小郡市・大刀洗町) ・小郡市消防団 ・大刀洗町消防団 ・三井小郡地区防災協会 ・三井小郡地区防火委員会 ・小郡市 ・大刀洗町 |
8 | 医療救護訓練 (9:50~11:00) |
・応急救護所(エアテント)を設置し、医師会・消防団指導による三角巾を用いた骨折や火傷の応急手当 ・任意参加者へのAED等救命手当 |
・小郡三井医師会 |
9 | 避難所運営訓練 (9:40~11:30) |
・災害対策本部と連携し、避難者管理(避難者の人数や身体状況の把握)、給水給食を行う。 ・医師会による健康チェック(血圧測定等) |
・小郡三井医師会 ・小郡市 ・大刀洗町 |
10 | 多数負傷者対応訓練 (10:30~11:10) |
・地震により列車×自動車の衝突事故が発生し、多数の負傷者の救出救助、トリアージ、Dr.ヘリの要請などを行う。 ・緊急消防援助隊(支援車展示) |
・警察署 ・消防署 ・小郡三井医師会 ・久留米大学病院(Dr.ヘリ) |
11 | 水害孤立者救助訓練 (10:10~10:50) |
◎大雨洪水警報発令 (端間水位観測所で氾濫危険水位を超えたため避難勧告) ・河川が氾濫し、洪水で孤立した住民を救助。 ・ボート資機材搬送~ボート組み立て~避難所誘導(ボート漕行は徒手による) |
・小郡市消防団 ・幼年消防クラブ |
12 | 水防訓練 (11:00~11:30) |
・消防団、訓練参加者及び見学者等総出(任意参加) による土のう搬送~積み上げ ・本部席前に積み土のうを作成 |
・小郡市消防団 ・大刀洗町消防団 ・環境保全協議会 ・建設業協会、重松産業 ・参加者全員 |
13 | 災害ボランティアセンター設置訓練 (9:40~11:30) |
・災害ボランティアセンターを設置し各種対応 ・飲料水・非常食・毛布などの物資搬送、避難者への支援(車椅子補助など) |
・福岡県社会福祉協議会 ・小郡市社会福祉協議会 ・大刀洗町社会福祉協議会 ・三井小郡地区防災協会 ・みい青年会議所 |
14 | 応急給水訓練 (10:10~10:30) |
・生活水の簡易水槽への給水 ・生活水の避難所への搬送 |
・小郡市社会福祉協議会 ・大刀洗町社会福祉協議会 ・三井小郡地区防災協会 ・その他各種団体 |
15 | 炊き出し ・給食訓練 (9:30~11:30) |
・自衛隊及び住民協働による炊き出し ・食事等を避難所や本部へ搬送 |
・自衛隊 ・小郡市健康を守る母の会 ・おごおり女性協議会 ・大刀洗町食生活改善推進協議会 ・大刀洗町女性の会 ・小郡市消防団 |
16 | 閉会式11:30~ | ◎訓練終了報告 ・開催地代表者挨拶(小郡市長) ・来賓挨拶(福岡県議会議長・小郡市議会議長) ・訓練講評(久留米広域消防本部消防長) |
①シェイクアウト訓練
会場内に緊急地震速報が流れ、来賓や観客を含め会場内全員が一斉に安全確保行動(頭に手を当てて低い姿勢を約1分間)をとりました。シェイクアウトとは、「地震を吹き飛ばせ」といった意味の造語で、2008年10月に米カリフォルニア州で始まった地震防災訓練のことです。地震発生時には「まず低く、頭を守り、動かない」という行動が自分の身を守るために重要であり、いざという時に備えておくためには日頃の訓練が必要不可欠です。
【会場全体でのシェイクアウト訓練】
②陸上偵察・広報訓練
地震発生後、団本部からの指示により、各分団がポンプ車で会場内を巡回しながら、被害情報収集活動を行いました。会場内で被害を発見すると、団本部へ無線で報告し、団本部の指示または現場判断により、災害対応を行いました。
【会場内をポンプ車で巡回】 | 【現場到着後、本部へ無線で報告】 |
③倒壊家屋訓練 倒壊家屋を使用し、家屋内に取り残された要救助者をジャッキやバールを用いて救出するなどの救助活動、出火した家屋への消火活動を行いました。特に、資機材班は資機材車に掲載しているエンジンカッターやチェンソーによる救助を行うなど、より高度な救助活動を行いました。また、担架がない状況や狭い場所で負傷者を搬送するための、徒手搬送訓練を行いました。本部分団員は、地震により一次避難所に避難した地域住民に対し、負傷者へ三角巾を用いた応急手当方法を指導しました。
【資機材班による救助活動】 | |
【ロープを用いた徒手搬送訓練】 | 【倒壊家屋への消火活動】 |
【本部分団による三角巾を用いた応急手当指導】 |
④水害孤立者救助訓練
地震後、大雨により河川が氾濫し、洪水による孤立した住民を救助するという想定で、ボートを組み立て、孤立者を救助し、避難所まで誘導しました。
⑤水防訓練
河川が氾濫し、越水を防ぐため、積み土のうによる水防訓練を行いました。消防団だけではなく、地域住民や各種団体の参加者、来賓等会場内全員が参加し、土のう約1500袋を使用した積み土のう工法を完成させました。
⑥炊き出し・給食訓練
自衛隊をはじめ各種団体とともに、炊き出し訓練を行いました。できあがった食事は避難所からの要請により、参加者及び来賓の方々にもふるまわれました。
小郡市と大刀洗町を代表して、田中団長が訓練終了報告を行いました。
今後とも、大規模災害を想定し、日頃より訓練を行うとともに、地域の皆さんと一緒に連携した活動を行っていきます。